妊娠中「赤ちゃんが生まれたら、健康的な食事をしっかり摂って、美味しいおっぱいをたくさん赤ちゃんに飲ませてあげたい!」と母乳育児を心待ちにしているお母さんはたくさんいます。
周囲にも「私は完母で育てたよ!」なんて自信ありげに話す人がいたら、「よし!私も自分の子どもは完母で頑張るぞ!」と意気込むお母さんもたくさんいます。
現代の乳児の育児事情は「ミルクより母乳を率先してあげましょう」という風潮が強いので、産科での指導や助産師からの話でも「いっぱい母乳が出るように」と様々なアドバイスがあります。
しかし、実際には母乳が「自分が思うように出るかどうか」というのは、赤ちゃんが生まれてみないとわかりませんし、体質や育児環境のストレスなどで、途中から母乳の出が悪くなることも「よくあること」なのです。
今、あなたが母乳が十分出ていないということで悩んでいるなら、先ずは深呼吸をして、少しでもたくさん眠れる時間をとって、そして少しだけこのサイトを読む時間をとってみてください。
母乳が出ない悩みをもつ母はたくさんいます
冒頭でもお伝えしましたが、母乳が「自分が望むほど」出るかどうかというのは、実際に赤ちゃんが生まれて、授乳が始まってからでないとわかりません。
ですから、出産前に周りの先輩ママから「母乳で育てた方がいいよ」という話をたくさん聞いて、知らず知らず「母乳がたくさん出るのが良いお母さん」という刷り込みをされていると、いざ授乳を始めた時に自分の母乳が調子よく出ないと深く傷ついてしまうんですよね。
「母乳が出ない私はダメな母なのではないか」という不安と「早くたくさんの母乳を出さなければ」という(自分でもびっくりするくらいの)大きなプレッシャーは日に日に肥大して、母乳が出ないという悩みで心と体が萎縮するためにますます母乳が出なくなって……という悪循環に陥ったりもします。
またこうした悩みと言うのは自分自身の「赤ちゃんを産めば母乳は自然と出るはず」という思い込みよりも、周りからの「どうして母乳が出ないの?やり方が悪いんじゃないの?」という心無い言葉が大きな要因となってもっともっと深くなるんですよね。
母乳が出ない・出にくいお母さんの悩みには次のようなケースもよくあります。
周囲の人からの「こちらの気持ちを考えない」声がキツイ
出産を終えた母親というのは、本来は「自分の体の回復」にしっかりと時間と栄養をとらなければなりません。
ですが、現代は核家族が多いこともあり、退院後すぐに自分自身のお世話と、赤ちゃんのお世話に忙しく立ち回る女性はたくさんです。
そのうえ、夫の身の回りのこともしなければ……という女性も多いので、実は現代女性の方が、一昔前の女性より「産後の活動開始」が早い人も結構います。
このように、自分の体の回復もままならないのに、新生児の赤ちゃんは3か月くらいまで1~2時間おきに授乳を必要とします。
これでは「本当は出るはずだった」母乳も、母体の健康や生命維持を優先して出なくなることがあるのもうなづけますよね。
というのも、母乳と言うのは「母親の血液の加工品」なわけです。
血液と言うのは「命そのもの」と言っても過言ではないのに、その血液が不足していたり、十分に造られていないのであれば、母親の健康は維持できません。
健康な血液を生成するためには、十分な栄養と、たっぷりの睡眠、そして何より心身の健康が必要なのです。
この「心身の健康」に対して、周囲の人や家族の心無い声というのはとってもダメージが大きいもの。
特に同じ女性で「母乳育児に困ったことがない人」は、母乳が出ない人の気持ちを察することができる人が少ないので、「要らない言葉」や「余計な一言」、さらには「相手を傷つける暴言」を投げつけがちです。
母乳が出なくて悩んだAさんの場合
産後3か月頃から母乳が出ないという悩みを抱えているAさん。
3か月頃までは平均程度に母乳が出ていたのですが、少しずつ赤ちゃんがしっかりしてきて、授乳の間隔が空くようになった頃から母乳の出が悪くなったように感じていました。
Aさんはそのことに悩んで、自分でもできる対策(マッサージや食事)を頑張っていましたが、やはり母乳は足りていないようで、赤ちゃんにはミルクも足していました。
すると、その様子をみた「完母で子どもを育てた義姉」が、Aさんに色々と口を出すようになります。
- 「ミルクをあげるばっかりで、お乳をちゃんと吸わせないと出るものも出ない。」
- 「母乳が出ないのは母親の責任」
- 「肉食ばかりで母乳の脂肪分が多すぎるんじゃないの?」
などなど…義姉はAさんに会うたびにこうした「暴言」を吐き続けました。
でも初めての育児に戸惑うAさんは、こうした義姉の言葉に言い返すこともできず、日に日にストレスを増大させていったのです。
母乳が出ない悩みで傷心のあなたへ伝えたいこと
はっきり言いましょう。母乳が出ないのは一切お母さんの「責任」ではありませんし、お母さんの「努力が足りない」わけでもありません。
人間と言うのは十人十色で、一人として同じ人はいないのです。
母乳の量が少ないとか多いというのも、人それぞれの個性に過ぎません。
そして、たまたま母乳がたくさん出た人に、母乳が出にくくて悩んでいる人の気持ちなんて「1ミリだって」わからないのです。
ですから、実際にそうした言葉をやり過ごすにはなかなか精神力も必要ですが、できたら周囲の雑音は聞かないようにしましょう。
ただ、母乳が出ないからと言って、あなたが「母乳なんて出なくていいもん」と思っているわけではないことも知っています。
できるだけ赤ちゃんに美味しいおっぱいをあげたいという気持ちは、母なら誰しも思う自然な気持ちでしょう。
今、あなたの母乳の出がちょっと期待通りではなかったとしても、赤ちゃんはあなたのことを嫌いになることは決してありません。
育児は長い道のりです。
振り返ればあっという間かもしれない授乳期間も、始まったばかりの時点では「まだ先は長いもの」です。
周囲の聞きたくない言葉は(難しいかもしれませんが)すぱっとシャットアウトして、あなたはあなたの赤ちゃんと、ゆっくりと「あなたらしい」授乳ライフを過ごせば良いのです。
そして、あなたが選ぶあなたらしい授乳ライフに、このサイトを役立ててみてください。
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