母乳が出なくなる原因とは?

授乳が必要なママの中で、何らかの母乳トラブルを全く感じたことがないという人はほとんどいないと思います。

母乳が出たよという人は出たという中で、乳腺炎のトラブルを抱えたり、自分の体調不良と母乳の量を心配したりします。

一方で、やはり母乳トラブルとしてママの心を苦しめるのは「母乳が出ない・出にくい・量が少ない」といったトラブルでしょう。

こうしたトラブルは赤ちゃんの成長にも関わるので、ママとしては大きなストレスにも悲しみにもなります。

さらに周りの人からの心無い言葉を受けることも多くなるので、母乳が出ることによって生じた悩みよりも深刻で欝々とした気持ちを抱きやすくなります。

では母乳が出ない・出にくい・量が少ないというトラブルの原因にはどんなことが考えられるのでしょうか?

また、一般的に考えられる原因で「本当は違うもの」ということはあるのでしょうか?

母乳が出ない原因には一体どんなものがある?

原因① 遺伝

母乳が出ないことの原因として、すぐに思い浮かぶのはやはり「遺伝」ではないでしょうか。

女性の体に関しては、生理不順(不定期な周期)や乳がんなどのトラブルについて遺伝が関係していることもあるので、母乳の出に関しても遺伝が原因になっているのでは?ということも考えやすいでしょう。

しかし、実際のところは母乳の出と遺伝には直接的な関係はないのではないかとされています。

原因② 食事

母乳が出ないことの直接的な原因で大きい物としては、栄養不足=食事内容が挙がることが多いですね。

母乳は血液の加工品であるので、母体を維持するのに精一杯の栄養しか摂取していないと、やはり母乳は出なくなりやすいです。

例としては、戦時中の食糧難の時期には、子どもはたくさん産めても母乳を出すことができないという女性は多かったようです。

これらの人は、自分の母親は母乳の出に問題がなかった人も多く、やはり日常的な栄養不足が母乳不足に繋がっていたというのが正しいでしょう。

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原因③ タバコ

妊娠中はきちんとタバコを止めていたママも、産後は睡眠不足や慣れない育児でついタバコを再開してしまう人もいると言います。

ママだけでなく、家族でもママの妊娠中はタバコを止めていても、産後は再開してしまった……という人は結構いるのです。

ただ、タバコの中に含まれているニコチンはそもそも血流を悪くする成分であるので、母乳を出すために血行を良くする必要があるママには天敵。

さらに、タバコを吸うと血中の一酸化炭素濃度が上がることで、血管が収縮することになります。

そうなるとやはり母乳の出が悪くなるので、母乳の出とタバコの因果関係はアリというのが正しいのですね。

原因④ ストレス

タバコの吸わない(周囲の家族も吸わない)、栄養もしっかり摂っている、睡眠もそこそこ取れている…というママで母乳が出ない悩みを抱える人に多いのが「極度のストレス」です。

ストレスと言うのは、自分が思っている以上に自身の体を深く傷つけているので、授乳期間中のストレスは本当に「母乳の大敵」なんです。

そうでなくても、産後はホルモンバランスの変化でイライラ・欝々しやすい時期なので、できるだけストレスを溜めこまないようにするのが大事です。

原因⑤ 睡眠不足

授乳期間中のママは常に睡眠不足です。

ただ、それでもやはり授乳期間中は通常期間とは異なり、少しくらい長い睡眠が取れなくても平気なように体は変化しています。

短い睡眠でも疲労回復できるようになっているのです。

けれども、第1子の時はお昼に一緒にお昼寝もしやすいのですが、第2子以降はなかなかそうした時間も取れず、必要最低限の睡眠すら難しくなります。

こうなると睡眠中に作られる母乳生成のためのホルモンも十分にできなくなるので、あまりにも睡眠不足がピークに達した時は、パパや周りの人の手を借りて、しっかり疲労回復をするようにしましょう。

原因⑥ 水分不足

母乳は血液の加工品と言えども、大半は水分です。

赤ちゃんは1日に800~1500mlの母乳を必要とする(完全母乳で順調に成長している場合)ので、ママも最低1500mlの水分を摂取する必要があります。

あまりにも水分不足になると、たとえ母乳が辛うじて出ていても、ママが体調不良になって、そのことで母乳が出なくなるので、人間の体には水分が必要不可欠ということで、しっかり水分を摂ることは忘れないようにしましょう。

原因⑦ 年齢

最近は高齢出産も一般的な日本社会ですが、多くの高齢出産ママの口から聞かれるのが「高齢で産んだから母乳が出ない」という話です。

ただ、年齢と母乳の出や量に関しては明確な関係はなく、若くしても産んでも母乳が出なくて悩んでいるママもいれば、高齢で産んでも溢れるように母乳が出ているママもいます。

もし言えるとすれば、高齢で出産をするとやはり育児で疲労を溜めやすくなるので、そうした疲労やストレスが母乳の出を悪くしているのは全く関係ないわけではないでしょう。

原因⑧ ホルモンの乱れ

女性は出産後、産前の体に戻るような女性ホルモンの大変化があります。

エストロゲンとプロゲステロンというホルモンの量の大幅な変化です。

エストロゲンは妊娠中は、母乳の乳腺の発達に関わっていますが母乳の分泌をは抑制します。

一方でプロゲステロンは妊娠を継続させるためのホルモンで排卵を抑制します。

これに加えて母乳の分泌にはプロラクチンとオキシトシンという2つのホルモンも深く関わっているので、合計4つのホルモンがバランスよく働く必要があるのですね。

もし体調不良やストレスで女性ホルモンや母乳の分泌に関わるホルモンのバランスが崩れると、母乳は順調に出なくなることは十分に考えられるのです。