この記事は約 2 23 秒で読めます。

胸が張ってるのに母乳が出ない

出産して赤ちゃんがおっぱいを吸うと、その吸啜行動が刺激となって母乳が作られ、出てくるようになります。

母乳が作られるタイミングは人によったり、産後どのくらいの期間が経過したかによって変わってきます。

ただどのタイミングで母乳が作られるにしろ、乳房の中で母乳が作られればある程度「胸が張る」という感覚を持ちます。

つまり、授乳期間に胸が張るということは、乳房の中では母乳が作られているということです。

それなのに「外に出てくる母乳」が少ないという悩みがあります。

母乳は乳房の中で作られたからと言って、スムーズに外に出るわけではないのですね。

では作られた母乳がしっかりと外に出てくるようになるためにはどうすれば良いのでしょうか?またどうして作られた母乳が出ないということが起こるのでしょうか?

胸が張っている=母乳は作られている

冒頭でもお伝えしましたが、授乳期間に胸が張るということは、基本的には乳房の中で母乳は作られています。

ただ、産後どのくらい経過しているかという点で、胸がどのようなタイミングで張ってくるかは変わってきます。

初産や産後1か月~2カ月くらいまで

初産のママや、産後1か月~2カ月という時期のママは、赤ちゃんとママの「授乳リズム」がまだ合わせられている途中なので、赤ちゃんの授乳のタイミングだけでなく、常に胸が張ったり、赤ちゃんの泣き声を聞いただけで胸が張ってきたりする人もたくさんいます。

逆に、ママの疲れが溜っていたりすると、赤ちゃんの授乳の時間になっても胸が張らない(母乳がうまく出来ない)ということもあります。

産後3か月~6ヶ月くらい

産後3か月が過ぎてくると、赤ちゃんの首も据わって体もだいぶしっかりしてきます。

この時期くらいになると、少しずつママと赤ちゃんの「授乳リズム」も合ってくる場合が多いので、赤ちゃんがお腹が空いてくるタイミングで乳房が張ってくるというリズムができてきます。

こうなると乳房の中で飲まれない母乳が溜まることが少なくなり、乳腺炎になることも少なくなったりします。

また、経産婦さんなどは「赤ちゃんが吸えば胸が張ってくる」という「差し乳」のリズムが早いうちからできてくるので、強烈に胸が張って痛い!ということも少なくなったりします。

乳房は張っているのに……

基本的には胸が張っていれば母乳は作られているのですが、乳房で作られた母乳がしっかり「外」に出てくるためには、「母乳の通り道」が貫通している必要があります。

ストローを使ってジュースを飲むにも、ストローが詰まっていてはジュースを上手に飲むことはできませんよね。

単純な話をすれば、おっぱいもストローと一緒。せっかく乳房で母乳が作られていても、乳房を運ぶ「乳管」が詰まってしまっていては、母乳は乳頭まで運ばれないのです。

さらに、乳房(乳腺葉)で作られ、乳管洞で貯められていた母乳は順調に乳管で乳頭まで運ばれたとしても、乳頭が詰まっていては母乳は外には出てこられません。

そしてこの「胸は張っているのに母乳が上手に出ない」という症状は、結構多くのママが産後1か月くらいの間で多く悩まれる問題なのです。

作られた母乳を「出す」ためには?

胸が張っているということは、どんな状態の母乳かはわかりませんが、とにかく乳房の中で母乳は生成されているということです。

作られた母乳が出てこない問題はそのほとんどが「物理的」な問題。

つまり、乳管や乳頭など、母乳が通る道のどこかが詰まっているという原因が非常に多く、その他には母乳自体の脂肪分などが多すぎで(ちょっと表現がよくないですが、母乳がドロドロしていて)スムーズに出ることができないということが多いのです。

母乳の通る道が詰まっている場合

母乳の通る道のどこかが詰まっているという時で、やはり母乳育児を望んでいるという時は、早々にプロ(助産師)におっぱいマッサージをしてもらうに尽きます。

産後、助産師さんからおっぱいマッサージの指導は受けると思いますが、母乳の通る道が詰まって出てこないというママは、入院中に指導してもらった程度のマッサージを退院後自分で頑張ってもなかなか乳管が開通することはできません。

乳管を開通させるマッサージはかなり痛い場合が多いのですが、それでも開通してしまえばママも赤ちゃんも楽に授乳タイムを過ごすことができるようになりますよ。

さらに、一度乳管が開通しても、最初のうちは自分でおっぱいマッサージを続けた方が良いでしょう。

母乳自身が出にくい粘度である場合

母乳自身の粘度が高くて乳管を通りにくい時は、一先ず「食事」を見直す必要があります。

授乳中は確かにとってもお腹が空くのは仕方ありませんが、脂肪分の多い食事や食べ物を摂りすぎると母乳はすぐに脂肪分の高いドロッとしたものになります。

ちょっとしたところでは、チョコレートやバター、生クリームなど、産後のお祝いでお土産にいただくようなお菓子は脂肪分が高いので、続けて食べているとすぐに母乳の脂肪度が上がって通りにくくなったりするのです。

できたら、授乳中の食事は野菜を多めにしたり、母乳がサラサラになるようなお茶をたくさん飲んだりすることで、母乳の粘度を高めない努力が必要となります。

母乳の粘度が高まると、乳腺炎にもなりやすくなり、ママも赤ちゃんもしんどい時間を過ごさなければならなくなりますからね。