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母乳で赤ちゃんを育てたいと思っていても、色々な事情で母乳育児が適わないことはあります。
ただ、現代日本における調整ミルク(粉ミルク)の研究と開発はとっても進んでいるので、様々な事情で母乳育児が出来なくても赤ちゃんを健康に育てることは十分可能です。
しかし、母乳にしろ調整ミルクにしろ、赤ちゃんがそもそも「ミルクを飲んでくれない」状態だとママはとってもとっても心配です。
今回はミルクを飲んでくれない赤ちゃんについて考えていきます。
母乳を飲んでくれない場合
ミルクを飲んでくれない赤ちゃんで、その対象が母乳の場合は、赤ちゃんがまだまだ吸啜に慣れていなかったり、ママのおっぱいが赤ちゃんとうまくマッチングしていないことが理由として考えられます。
特に月齢の低い赤ちゃんの場合は、おっぱいを吸うことに慣れていなかったり、体力の問題でしっかり吸えないことも多いんですよね。
ママのおっぱいを吸う新生児の赤ちゃんを目にする機会があれば、少し観察させてもらうと良いのですが、赤ちゃんは本当に「必死」でおっぱいを吸っています。
全身の力を使って、一生懸命吸っているのです。
それを見ると、小さく生まれた赤ちゃんや、肺活量の個人差、あごの力の個人差などで、おっぱいを上手に吸えない赤ちゃんがいるのも理解できるはず。
例えば大人のことで言うと、初めてトランペットを吹いても、一度で上手にできる人もいれば、かなり練習しないと音を出すのも大変な人だっていますよね。
これは唇の形と、肺活量、そしてマウスピースと個人の口の相性などが関係します。
赤ちゃんとおっぱいも同じで、ママにしてみるとちょっぴり残念な気もしますが、やっぱり赤ちゃんの口の形とママの乳首の相性というものもあるのです。
赤ちゃんが頑張っていてもフィットするまで時間がかかる乳首となると、赤ちゃんはおっぱいより「力を精一杯出さなくてもスイスイ飲める」ゴムの乳首でちょっぴり楽ちんをしたくなることもあるわけです。
ただ、だからと言って赤ちゃんがママのおっぱいがキライになったりはしません。
やっぱりぴったりくっついて安心するのはママのおっぱいなんです。
だから、母乳育児をしたいと希望するママは、赤ちゃんがおっぱいを吸ってくれない…ということで落ち込み過ぎず、吸ってくれなくても「スキンシップ」として赤ちゃんとおっぱいを触れ合わせておくのが吉。
無理強いされなければ、赤ちゃんも自分のペースでおっぱいを吸う練習をして、自分の口の形にママのおっぱいをカスタマイズして、上手に吸えるようになります。
特に陥没乳首で赤ちゃんがおっぱいを吸うのが大変…という時は、ママは焦らず、赤ちゃんとじっくり進もう!と腹を括った方が楽になれますよ。
宿題をやろうとしていた時に「宿題やりなさい」と言われると、何だかやる気がなくなってしまいますよね。
赤ちゃんだって同じで、頑張っておっぱいを自分好みにカスタマイズして飲みやすくしようとしている最中に「ほらしっかり吸って!」なんて言われると頑張る心が折れてしまいます。
母乳を吸わせる時はとにかく少しでもリラックスをして、オキシトシンがいぱい出るようにするのが、ママにできること。
ママにママ自身の歩幅があるように、赤ちゃんには赤ちゃんの歩幅があります。
授乳は二人三脚なので、二人がちぐはぐになって転んでしまわないように、ゆっくりペースを合わせられるといいですね。
調整ミルクを飲んでくれない場合
できるだけ母乳育児をしたいと思っていても、仕事や健康上の事情でミルクを利用するママはたくさんいます。
特に、生後1ヶ月までの赤ちゃんをもつママは半分くらいが混ミ(母乳とミルクの混合育児)で赤ちゃんに授乳をしているのです。
ただ、中にはどうしても調整ミルク(粉ミルク)を飲んでくれない(もしくはゴムの乳首を嫌がる)赤ちゃんがいることも確か。
特に生後2カ月くらいまでずっと母乳で育てていて、ママの復職や体調不良でミルクを利用しようとすると、哺乳瓶での授乳を一切受け付けてくれない!ということもあります。
授乳に関して、途中から哺乳瓶を導入すると、哺乳瓶の中身が搾乳した母乳でも粉ミルクでも関係なく、とにかくゴム乳首はイヤ!と拒絶する赤ちゃんは多くいます。
こうなるとママはとっても困りますよね。
風邪程度の体調不良で母乳での授乳をお休みしようと考えていたママは、赤ちゃんのゴム乳首の拒絶っぷりに「やっぱり母乳を飲ませよう」と思う人も多いはず。
しかし復職で母乳をあげられることが物理的に無理になったりすると、哺乳瓶での授乳ができないのは赤ちゃんにとって死活問題!とママは焦ります。
確かに赤ちゃんはまだミルクや母乳しか飲めないので、哺乳瓶での授乳を拒絶すると水分不足や栄養不足になることも考えられます。
けれども、人間は空腹には勝てません。
哺乳瓶拒否をする赤ちゃんも、本当にお腹が空いても母乳が飲めないとなると、ちゃんと哺乳瓶で飲めるようになります。
ただ、ここで注意しておきたいのは、月齢によって「乳首の種類」が異なってくる点です。
月齢が低い赤ちゃん用や、果汁を飲む用の乳首など、哺乳瓶に取り付ける乳首には色々な種類があります。
また、ゴム乳首にも「形」があって、各メーカーそれぞれに工夫がしてあるのです。
本当に赤ちゃんがママのおっぱいを吸っている時の様な乳首の形になるように設計してあるゴム乳首もあれば、昔ながらのものもあります。
どの形が赤ちゃんの好みになるかはわからないので、哺乳瓶を利用して授乳をする機会があることを想定しているのであれば、出産前に色々なメーカーのものをそろえて、色々と赤ちゃんの好みを探るのも大事です。
そして、これはとっても大事なのですが、哺乳瓶で授乳ができるようになると、ママ以外の人が授乳をすることができるようになりますよね。
この時、授乳をするのがママでも別の人でも、できるだけ「赤ちゃんの顔を見て、目を見て」授乳する機会を増やすことを忘れないのが本当に大事です。
赤ちゃんも4ヶ月くらいになると、哺乳瓶も軽いものなら自分で持ってミルクを飲むことができるようになる子もいます。
これを楽だからと言って、赤ちゃん1人の食事にさせてはいけないということです。
保育園などでいつも1人の赤ちゃんに大人がつきっきりになることが難し場合は致し方ありませんが、ママやパパ、誰か家族が赤ちゃんに授乳をする時は、しっかり抱っこして、赤ちゃんの顔を見ながら授乳をするようにしてくださいね。
母乳にしろ、哺乳瓶での授乳にしろ、赤ちゃんの食事時間がイコールスキンシップの時間であることに変わりはないのです。
少しでも赤ちゃんの食事時間が笑顔に満ちた、楽しく穏やかな時間になるように、授乳に関わる人も穏やかな気持ちで接することができるようにしてみてください。