この記事は約 3 0 秒で読めます。

%e7%94%9f%e7%90%86%e3%81%a8%e6%af%8d%e4%b9%b3%e3%81%ae%e9%96%a2%e4%bf%82

妊娠をすると通常はその時点で一旦止まることになる女性の月経(生理)。

ただその生理も早い人では産後6ヶ月くらいから再開するようになります。

そして、子育て中ママの話として良く耳にするのが「生理が始まったら母乳の出が悪くなった」とか「生理が始まって赤ちゃんの母乳の飲みが悪くなった」という話。

経験談としてよくある「生理と母乳の関係」には本当に関係があるのでしょうか?

母乳と生理と女性ホルモン

女性の体は基本的には28日で月経周期を巡らせています。

ただこれは基本なので、現代の日本人女性の平均では月経周期は25日~33日というところ。

人によってはもっと長い月経周期でも問題ない人はたくさんいます。

さてこの月経周期ですが、排卵して無事に妊娠をすると、その後の排卵誘発や出血は止まることになりますよね。

つまり、妊娠すると一時的に排卵の必要がなくなるから「生理が止まる」ということになります。

これには女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが深く関わっています。

妊娠と生理と2つのホルモン

先ずは生理(月経)や「女性らしさ」に大きく関わってくるホルモンである「エストロゲン」について。

エストロゲンは「卵胞ホルモン」とも呼ばれるホルモンで、卵巣から分泌されるホルモンです。

命令系統としては

【脳の視床下部】→刺激→【脳の下垂体】→性腺刺激ホルモン→【卵巣で卵胞が成長し始める】→卵巣からエストロゲン分泌

という流れです。

卵胞から分泌されたエストロゲンは、性腺刺激ホルモンによって卵巣で成長し始めた卵胞をサポートし、最終的に1個の卵胞を卵子へと成長させるのです。

そして、成長した卵子は毎月1個(もしくは数個)卵管から子宮を通り、受精することがなければ生理が起こるという仕組みですね。

生理周期の中での増減は、生理終わり頃から徐々に増え始め、排卵の直前がピーク。

排卵が終わると分泌量は減少を続け、生理が始まる頃に分泌量はがくんと落ちるという周期です。

妊娠をすると「生理が始まる頃」というのが訪れないわけですし、排卵直前のピークから分泌量が大きく落ちず、そのまま緩やかに分泌量を増やし続けることになるのです。

エストロゲンには妊娠しやすい体にする作用があり、さらに妊娠後には乳腺を発達させる作用があるので、妊娠期間中はずっと増え続けます。

もう一方の女性ホルモンである「プロゲステロン」は「黄体ホルモン」とも言われるホルモンで、月経周期においては卵子が受精をした際に、妊娠状態を維持させやすくするために分泌されるホルモンと言えます。

プロゲステロンは排卵後に、卵巣に残された卵胞が黄体化し内分泌系が形成されることで分泌されるホルモン。

黄体が排卵から2週間ほど存在するので、排卵から次の生理が始まるまでの2週間分泌量が増え続けます。

体温の上昇や子宮内膜の状態を整える効果のあるホルモンなので、一般的に「妊娠を助けるホルモン」とも言われます。

このプロゲステロンの増減は上でお伝えした通り「排卵から次の生理が始まるまで」増え続けるのですが、妊娠をするとプロゲステロンも減るきっかけがなくなるので、ずっと緩やかに増え続けることになるのです。

妊娠中はエストロゲン分泌され続け産後2日目くらいに急激に分泌量を減少させます。

プロゲステロンは妊娠8ヶ月~9ヶ月頃に分泌量のピークを迎え、それ以降は徐々に減少し始めます。

プロゲステロンが子宮の状態を「妊娠のためのもの」に維持させる働きがあることを踏まえれば、妊娠後期=出産が近くなる時期に分泌量が減るのは納得ですね。

ちなみにプロゲステロンにも乳腺を発達させる働きがあるので、妊娠中はエストロゲンとプロゲステロンが「産後の母乳の出」に関わっているとも言えます。

産後における2つのホルモン

妊娠後期に分泌量を下げるプロゲステロン、産後2日目くらいから急激に分泌量を下げるエストロゲン。

この2つが出産前後に分泌量を下げるのは「妊娠を維持する必要がなくなったから」というのが1番の理由ですが、それに加えて、産後に増えるホルモンによって分泌が抑制されるということもあります。

エストロゲンとプロゲステロンの分泌を抑制するのはプロラクチンという母乳を作るために必要なホルモン。

考えてみれば、産後の授乳が必要な時期に次の排卵が早々に始まるということは、次の妊娠OK!と体が次の妊娠へGOサインを出すことですよね。

乳児がいるのに次の妊娠をすぐにOKすると、身体は「授乳のための母親モード」から「次の妊娠をするための女性モード」になり、赤ちゃんとしては死活問題。

ですから、離乳食が始まるくらいの生後(産後)6ヶ月くらいまでは、授乳が優先されるよう、生理が再開しないようにできているのです。

家族計画と授乳は関係あり?

ここまでにご紹介してきたように、産後は早くて6ヶ月くらいまで生理が再開しないのは通常です。

産後6ヶ月くらいまでは身体は「母親モード」全開。

体はとにかく生まれた赤ちゃんに授乳をすることを優先して動いているのです。

ですから、人によっては1年くらい生理が再開しないのもおかしくなく、長い人では1年半くらいは生理が再開しないこともザラにあります。

一般的に生理中は母乳の味が変わると言われていて(事実、母乳の成分は生理中は変わる)、生理中の母乳の味が気に入らなくて、母乳を嫌うようになる赤ちゃんもいます。

大体のママは産後6ヶ月以降に生理が再開するのですが、産後6ヶ月というと赤ちゃんはそろそろ離乳食が始まる頃。

ですから、離乳食で栄養を摂れるようになる配分が多くなるにしたがって、母乳量も減って大丈夫ということになります。

ただ、直母で頻回授乳をしいてると、プロラクチンの分泌量が下がらないので、プロラクチンによってエストロゲンの分泌が抑制され排卵が起こらず、生理の開始が遅れることはよくあります。

生理が6ヶ月で再開したとしても、実際には子宮が完全に復旧するのには大体1年くらいかかると言われているので、できれば次の妊娠は1年をおいた方が母体に負担が少ないとされています。

ですから、赤ちゃんの弟妹についての家族計画はママがどのくらい母乳育児をしたいかということと、子宮の回復を待って考えていくことがベストかもしれませんね。

家族計画はそれぞれの家庭にとって大変デリケートな問題なので、外野がとやかく言うことではありません。

ただ、次子の妊娠を考えるためには、排卵が必要であるのは事実です。

母乳育児期間の希望と生理再開(排卵再開)の折り合いは自分の希望だけで自由にコントロールできるわけではないのですが、授乳行為で排卵活動が少なからず影響を受けることを知っていると、卒乳時期や次子の計画を夫婦で考えやすくなるのは実際の話ですね。