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一生涯の中で乳がんになる女性は、50年前には50人に1人でしたが、現代では14人に1人と言うところにまで増加しています。
乳がん罹患率は40代以上の女性が多いのですが、20代でも乳がんになる人は増えています。
高齢出産が一般化している現代では、40代初産の女性は多くいますし経産婦さんでも40代に出産をする女性は多くいます。
こうしたことを踏まえると、乳がんになりやすい世代で母乳育児をする人も増えているということになります。
では母乳育児をすることと、乳がんでは何か関係は出てこないのでしょうか?
例えば乳がんに罹患している、もしくは治った場合において、母乳育児が困難になることというのはあるのでしょうか?
今回は母乳育児と乳がんの関係について考えます。
母乳育児と乳がんにはどんな関係があるの?
先ず言えるのは、母乳育児をしている時に乳がんが発見された場合、そのまま母乳育児を続けても平気なのかということですが、母乳が問題なく出ているのであれば、乳がんに罹患していても母乳育児は可能です。
たとえがん細胞が母乳と一緒に赤ちゃんに入ったとても、がん細胞は胃液で壊されてしまうので、がん細胞を含んだ母乳が赤ちゃんのガンを誘発するとか、体調に悪影響を及ぼすということはほぼ考えられません。
この場合の心配がある時は、小児科の医師、助産師、乳がんの専門医に尋ねてみてください。
恐らくどの専門家も問題ないと答えてくれるはずです。
気持ち的にどうしても母乳をあげるのが……という時はミルクにしましょう。
乳がんになると母乳は出なくなる?
乳がんになっていることに気づいていない場合、乳がんのせいで母乳が出なくなるということはほとんどありません。
ましてや初期の乳がんである場合はその可能性はほぼ考えられません。
ただ、乳がんに罹患していることに全く気付いていなくて、ステージが大変進行していた場合は、乳がんの分泌物のために母乳が出なくなることは考えられます。
この場合は、乳首からの分泌物がすでにミルク(母乳)ではなく、ミルクの色をしたものではなくなっているので、自分でも乳房の異常に気が付くはずです。
母乳育児と乳がん
そもそも国際的には「母乳育児をすると乳がんの予防になる」という風潮や科学的調査もあります。
確かに、欧米女性を対象にした調査では、母乳育児をしていると乳がんのリスクが下がるというのが結果として得られています。
日本人女性に関しても「母乳育児をすると乳がんのリスクが『必ず』減少する」という確かで誰にでも当てはまる結果はありませんが、傾向として母乳育児をした方が乳がんリスクを減らすことができるという調査結果はあります。
乳がんと言うのは乳腺組織にできるがんであるので、授乳中という「乳腺が活発に活動をする時期」にはできにくいと言われています。
そのため、多くの女性が育児に乳腺を使用しなくる40代以上の罹患者が多いのではないかと考えられているのですね。
また、乳腺をしっかり利用した母乳育児をした女性というのは、乳腺を本来の乳腺の役割を持たせていた時期があるので、乳がんになりにくい傾向があるのではないかと考えられているのです。
しかし、乳がんは遺伝や体質、生活習慣によって罹るリスクがかなり変わってくるので、母乳育児をしたから乳がんには罹らないとは言えません。
同じく、母乳が出なくて母乳育児がほぼできなかったから乳がんになりやすいのだ、ということも言えません。
母乳が出る・出ないと乳がんはほとんど関係ない
ここまでにお伝えしてきたように、母乳が出る・出ないということと乳がんと言うのはほとんど関りがありません。
母乳が出ない理由になるほどの乳がんの場合、授乳とか母乳育児とか、そういったことを言っている場合ではない状況になっているからです。
ただ、授乳中であっても乳がんになることは0%ではないので、おっぱいにいつもとは違う違和感のあるしこりを感じたり、いつもと違うな……と言う感覚があれば、早めに乳腺外来を訪ねるようにすることが大事です。
乳房の中が原因で母乳が出ない・出にくいと言うのは乳がんでなくても乳腺炎などがあるので、出産後、色々と母乳が出る努力をしても母乳が出ないという時は、乳腺外来で乳房の中を診察してもらうと良いでしょう。
自分では気づかない「母乳が出ない理由」が見つかることもないとは言えませんからね。
さらに、乳がんは早期発見をするほど自分へのダメージを少なく治せるがんとしても有名ですよね。
20代のうちに乳がんになっていたとしても、適切な治療をして治していれば、その後出産をしても母乳育児をすることは可能です。
一度乳がんになったら母乳育児は絶対無理だということはないので、乳がんになっても母乳育児を諦める必要はありません。
実際に、20代のうちに乳がんを治療をしてもしっかり母乳育児をしているママはたくさんいますよ。
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