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母乳が出ないと悩んでいるママの中で、自分の母親から「私も母乳はすぐに止まっちゃったから」と言われて人も多いと言います。
こういう話を聞くと「私の母乳が出ないのはやっぱり遺伝のせいか……」と諦めることもあるようです。
しかし結論から言うと、母乳の分泌量やそもそも母乳が出やすいかどうかということと遺伝にはほとんど関係はないとされています。
母乳の分泌と遺伝の関係
自分の母親が育児中に母乳で子どもを育てられたからと言うことで、自分の娘が出産した際に「どうしてあなたは母乳が出ないのかしらね」なんて言われて傷つく人はたくさんいます。
逆に「私は母乳なんてほとんど出なかったのに、あなたはすごく出るのね、不思議」なんて言われる人もいるようです。
ただ母親も娘も母乳が出にくかったという経験をすると「母乳が出ないのは遺伝」と思いがちになります。
しかし、冒頭でもお伝えしたように、母乳の分泌と遺伝に関しては、特に親世代とのかかわりについてはほぼないと言っても良いでしょう。
現代の日本では母乳育児が主流で、推奨されていますが、世界を見渡せば母親の栄養状態からミルクの方がイイと言われている国もありますし、女性の社会進出が常識化している社会では、母親が復職したら必然的にミルクで当然という国もたくさんあるのです。
団塊の世代なども、ミルク育児が推奨されていたこともあって、ミルクで育児をした人が現代よりたくさんいます。
こうしたことから、母乳が出るとか出ない以前に、ミルクをあげたことで母乳が止まった人も多いのです。
その世代以前の人は、戦争などで栄養状態が悪く、母乳が出ないことは多かったようですし、団塊の世代の人たちが赤ちゃんの時は親の栄養状態の悪さから、お米の研ぎ汁で育った人もいるようです。
これらを考えると、現代の30代前後以上の人で母乳育児をしている人から見て3世代くらい上の女性たちに限っては、完全母乳で育児をした人の方が少ないとも言えます。
以上のことを踏まえれば、社会状況・栄養状況などがことごとく違う世代の女性を比較して、母乳が出るかどうかをはっきりと「遺伝によるか」で考えることすらも難しいのです。
冷静になって考えてみると
前項でお伝えしたように、母乳の分泌と遺伝の関係はほぼないと言えるので、母乳の分泌が悪い・良いというのは、2次的要因が大きいと言えます。
ということは、自分の母親の母乳がたくさんでなかったからと言って、自分も母乳育児を諦めなければ……と悲嘆にくれる必要はありません。
逆に、自分の母親がたっぷり母乳の出る人だったから、自分も努力しなくても母乳が出ると高をくくってはいられないということになります。
母乳をしっかり出したいと思ったら、一先ず栄養状況と生活環境、生活習慣を整えて、母子ともに健康に過ごせる毎日を送ることが何より大切になるからですね。