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ホルモンの乱れと母乳について

母乳が出ない悩みを抱えるママたちは結構たくさんいます。

母乳が出ないことをカミングアウトすると、周りから責められるのではないか、という気持ちから、あまり周囲の人に正面切って相談するママは少なく、こうした「言いにくい環境」がますますママたちの悩みを深くし、しんどさに拍車をかけている現状があります。

ただ、出産を経験したママの中で、体質や器質的に母乳がどうしても出ないという人は1%ほどしかいないと言われています。

つまり、他の女性は量がたっぷりでなかったとしても、母乳が出ることには変わりないということ。

ではどうして多くのママが母乳に関して悩んでいるのかというと、体質などの問題の他に、母乳の出を悪くしてしまうような問題を抱えているから。

その「母乳の出」を左右する鍵として大きなものに、ここでご紹介する「ホルモンバランス」があります。

母乳の分泌に関わる4つのホルモン

女性の体には第二次性徴とか妊娠・出産に関わらず「エストロゲン」「プロゲステロン」という女性ホルモンが影響しています。

これにプラスして、出産後の女性の体には授乳に関わる「プロラクチン」と「オキシトシン」が母乳の出を左右するホルモンとして働きます。

女性ホルモンである「プロゲステロン」と「エストロゲン」

妊娠をすると増える「プロゲステロン」

妊娠をきっかけに女性の体で増大するプロゲステロンというホルモン。

このホルモンは黄体ホルモンとも呼ばれるホルモンで、妊娠をすると子宮内を赤ちゃんが育ちやすい環境に整えたり、流産を防いでくれる役割をもったホルモンです。

一方で体内に増えることで感情の起伏が激しくなったり、イライラを感じやすくなる側面もあります。

母乳の出にも関わる「エストロゲン」

女性の心身を「女性らしく」保つことに関わっているホルモンの「エストロゲン」は、妊娠をきっかけにして、産後の母乳育児を支えるべく、乳房の乳腺を発達させる役割もあります。

妊娠との直接のかかわりとしては、こちらのホルモンもプロゲステロンと同様に、妊娠の継続をサポートする役割があります。

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母乳の出に直結する「プロラクチン」と「オキシトシン」

プロラクチン

分娩時に一番濃度の濃くなるホルモンである「プロラクチン」は、母乳を生成するために必要なホルモンです。

このホルモンが脳内で分泌されることで、ママの体は「母乳を作りなさい」という指令を受けて、乳腺で母乳が作られるようになるのです。

産後は徐々に減少するプロラクチンですが、日々の授乳に必要な量は赤ちゃんが乳首を吸うことで維持されるので、母乳が出なくて悩んでいる時も、できるだけ赤ちゃんにおっぱいを吸わせて方が良いのはこうした理由からです。

オキシトシン

母乳を押し出す働きをもつオキシトシンは、別名「幸せホルモン」とも呼ばれるホルモンで、オキシトシンが分泌されることでママは愛情をもって赤ちゃんに授乳活動を続けることができるとされています。

具体的な作用としても、乳頭から母乳を外へ押し出す働きがあるので、オキシトシンが減ると母乳を押し出す働きが弱まる可能性が出てくることになります。

ホルモンバランスを整えるためには?

通常期から妊娠期、産後の授乳期と女性の体内では上記の4つのホルモンのバランスが大きく変化します。

特に産後のプロラクチンとオキシトシンは、疲労やストレスが溜まることで分泌が弱まりやすいホルモンであるので、すぐにバランスを崩し、母乳へ影響が出やすくなるのです。

また、女性ホルモンのプロゲステロンやエストロゲンは量が増減することで女性の心の持ち方に大きな影響を与えるので、産後は育児と環境の変化のストレスなどで、よりストレスを感じやすくなる時期でもあります。

こうしたストレスは「産後うつ」や「産後クライシス」を招く要因ともなり得るので、周囲の人は「妊娠期から授乳期のママはホルモンバランスが狂いやすい」ことを前提として、できるだけストレスがかからない日常を過ごせるようにすることも大切です。

産後の心身はとにかくホルモンの影響にさらされやすいものです。

女性自身もそのことを頭に入れて、自分なりのストレス発散や疲労回復方法を身につけて、母乳が出る体へと変わっていけたら良いですね。