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母乳が出ないとか、母乳の出が良くないなと悩んでいるママの中には「私はもともと胸が小さいから母乳もたくさん出ない」と思っている人がいます。
確かに、搾乳をしている乳牛のおっぱいを見るととっても大きいし、胸が大きい方がたくさんの母乳が作られそうな「イメージ」はあります。
しかし、はっきりと結論から言うと、胸の大きさと母乳の出や量には関係はありません!
もともとの胸が大きくてもあまり母乳が出なくて悩んでいるママはたくさんいますし、逆に通常期に胸がなくて悩んでいたママはたくさん母乳がでて、母乳育児に何の悩みも持たなかったという人もたくさんいます。
今回はこの「胸の大きさ」と「母乳の出」についてピックアップします。
母乳の出に「おっぱいの大きさ」は関係するの?
女性の乳房は、第二次性徴期をきっかけに成長を始めます。
これが思春期から以降の女性には「胸が大きい/小さい」でスタイル的な悩みになるのは周知の通り。
では胸の大きさは何で決まるかと言うと、これも常識になっていますが「脂肪の量」で決まります。
そう、乳房の中というのはほとんどが脂肪なのです。この脂肪は乳房内の乳腺を保護する働きもあると言われていますが、野生動物を見ると人間に近いサルの乳房は大きくないんですよね。
女性の胸の「大きさ」と育児はほとんど関係ない
テレビなどでおサルさんの育児シーンって見たことありませんか?
おサルさんのママの乳房には、脂肪はほとんどありません。
極端な言い方をすると、ペタンコの胸に乳首がついているだけ、という感じですね。
それでもおサルさんのママは立派に母乳育児をしています。
つまり胸の大きさと母乳の量や出は関係ないということ。
ではなぜ人間の女性の胸は大きくなるようになったのかと言うと、次の説が有力です。
実は人間の女性の胸というは、育児のために大きくなったというよりはセックスアピールとして大きくなったと言われているんです。
再びおサルさんを例に挙げると、おサルさんのメスは妊娠可能な年齢に達し、発情期になると「お尻」がその目印になります。
しかし、一方で人間は進化の過程で二足歩行を選んだので、そうした「生殖可能ですよ」という目印にお尻を利用することはできなくなったのですね。
人間が二足歩行になったことで、身体のどこを目印にすることにしたかというと、それが胸だったんですね。
ということで、人間の女性の胸の大きさと育児に関わる母乳量はそもそも関係がないとご理解いただけたのではないでしょうか。
では母乳の出や量と関係しているのは何かというと乳房の中にある「乳腺」の発達になります。
母乳を生成する乳房の中はどうなっているの?
母乳の生成や量に乳房の大きさが関係ないことは先述した通りですが、それでは母乳と言うのは女性の乳房の中でどうやって作られているのでしょうか?
乳腺が発達するのは妊娠中
たとえ思春期に乳房が大きくなったとしても、妊娠し出産しなければ女性であっても母乳が出ることはありません(例外はありますが)。
母乳を生成することのできる乳腺葉や乳腺は妊娠中に体内で増えるエストロゲンによって発達します。
この時期に乳腺がしっかり発達すれば、産後の母乳の生成の基礎工事は完成になります。
妊娠の継続をサポートするエストロゲンというホルモンは、出産後はもちろん減りますので、母乳がしっかり生成できる乳房にするには、妊娠期間中のエストロゲンの働きがとても大切になります。
そして出産が無事に終わり、授乳開始となると、次はプロラクチンとオキシトシンという2つのホルモンの働きで母乳が生成され、押し出されるようになります。
この2つのホルモンがきちんと働いていても、もし最初の乳腺の発達の時点でうまく乳腺が発達していないと、母乳の量はやや少なめになるかもしれません。
ただ、乳腺がものすごくしっかり発達していなくても、母乳は生成され押し出されるので大丈夫です。
また、実際には産後、頻回授乳を繰り返すことで「この刺激(吸啜刺激)がたくさんくるから母乳をたくさん作らないと」と受け取るようになり、母乳の量は徐々に増えるようになるのが一般的です。
母乳の量を増やすには?
一般的には、母乳の量を増やしたいなら「適切なおっぱいマッサージをする」「食事を和食中心にする」「母乳の生成などを促すお茶やサプリなどを摂取する」「睡眠を取れる時にきちんと取る」というのが基本と言われています。
疲労とストレスは母乳生成の天敵ですし、栄養の偏りや脂肪分の多い食事も「出やすい」母乳を作るのに適していません。
そもそも母乳の出が悪いと悩んでいる人は、それは胸の大きさの問題ではなく、乳腺が開通していないことも考えられるので、出産した病院や助産院の助産師に相談して、おっぱいマッサージを施してもらうのも大切です。
最近は母乳育児を推奨している病院や助産院はたくさんあるので、母乳のことで悩んでいるなら、自治体の育児サポートをしてくれているところに相談して、適した施設を紹介してもらうのも良いですよ。