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赤ちゃんが生まれて、余程の事情がない限りは母親となった女性は誰しも「少しは母乳育児をしよう」と思っている人が多いのが現代日本です。
幸い、働いている女性も産前産後には「産休」を取ることは比較的気負いなくいられるようになってきたので、産後すぐの授乳を母乳で……という機会を持てる人は多くなっています。
しかし、一方で「赤ちゃんは母乳で」という考え方が優先されるようになっていることが、早々に職場復帰をする女性や、何らかの事情で母乳が出ない・出にくい女性にとって大きなストレスになっていることも事実。
しかも「母乳が出ない」ということについては、女性(母親)としての役割が果たせないと思いつめてしまう人が続出しています。
ここでは、母乳が出ないことで自分を追い詰めがちなママたちが少しでも「完全母乳こそが最上」という呪縛から逃れるための方法についてご紹介していきます。
母乳育児が全てではない
まず最初に、母乳育児に「捕らわれて」自分の心がどんどんしんどくなっている女性にお伝えしたいことがあります。
それは赤ちゃんは「母乳育児が育児の全てではない」ということです。
赤ちゃんが育つ上で大切なことは、赤ちゃんとママにとって幸せな時間が多いこと。
現代のミルクは成分も母乳により近づけるようになっていますし、赤ちゃんはミルクでも十分お腹を満たして、すくすく大きくなれるのです。
ママが母乳の出ないことに悩んで、毎回の授乳時に泣きそうな顔になりながら授乳を繰り返すより、ミルクと併用しながら、自分のペースをつかめる様になった方が、赤ちゃんはママの笑顔が見られて嬉しいですよ。
授乳の時間と言うのは「幸せの時間」です。
お互いに笑顔で過ごせるなら、母乳だろうがミルクだろうがどちらでも構わないのです。
このことを忘れて、母乳だけにこだわっていると、母乳が出ないという悩みが生じた時に、悩みが深くなり過ぎて赤ちゃんにもママにもしんどい時間が増えてしまいますからね。
最も大切なのは母も子どもも笑顔の多い毎日
先ほどの項でもお伝えしてきた通り、育児で大切なのは母も子どももいかに笑顔の多い毎日を過ごせるかなのです。
女性の希望として、赤ちゃんにより多く母乳を飲ませたいという希望はよくあります。
ただ、赤ちゃんにとっての幸せな食事の時間であるはずの「授乳の時間」に、自分の瞳の先に見えるのが泣きそうで苦しそうなママの顔だと赤ちゃんはとても悲しくなります。
そうした思いをお互いに抱きながらの時間を過ごすなら、ミルクを利用して赤ちゃんも満足、ママも余裕をもった笑顔で過ごせる方が余程健康的です。
冷静に考えれば、ミルクでも赤ちゃんは十分元気に育ちますし、赤ちゃんがミルクだけで過ごすのは大体5~6ヶ月くらいまでなのです。
そこからは離乳食になり、気が付いたらすぐにみんなと同じ食事を摂るようになります。
そうなると、母乳のことで悩んでいたことなんてすっかり忘れて、別の悩みが次から次へと出てくるもの。
母乳が出ないことでつい悩んでしまう気持ちは痛いくらい理解できますが、その悩みは永遠に続くものではありません。
母乳が出ないママは決して「ダメな母」でも「母親失格」でもないのです。
確かに母乳が出れば、哺乳瓶の消毒の時間を取らなくて良いということや、添い乳をすることができるという部分で、授乳が楽ちんになる部分はあります。
他にも外出時に授乳用の荷物が少なくて済むという利点はあります。
しかし、最大の難点も……それはママしか赤ちゃんの授乳の世話をすることができないという点。
こうなるとママの体調が悪くても、どうしても眠くていつもより睡眠時間が取りたい時も、ママは自分の体にも心にも鞭を打って赤ちゃんに授乳しなければなりません。
一方で、ミルクと混合で育てていれば、パパも自分たちの両親にも授乳を頼むことができるので、ママが休みたい時にしっかり休むこともできます。
特にパパは完全母乳育児のママのことを結構羨ましがっている人もいるのです。
パパの育児参加をしやすく、またパパにより早いうちから赤ちゃんとのコミュニケーションを取りやすくするためには、少しはパパにもミルク授乳をしてもらっておいた方が得策だったりもします。
母乳が出ないと、出産をしたママなら誰でも「私は母親失格」なんだろうかと一瞬でも悩んだりするでしょう。
もしかしたら母乳が出ないことで、周囲からそんなヒドイ言葉を投げつけられた人もいるかもしれません。
しかし、母親失格かどうかを判断するのは子ども自身であり、ママでも周囲の人でもありません。
子どもにとって、あなたは世界でたった一人の大切で大好きなママなのです。
子ども1人ひとりが全員違って個性があるように、ママにだって1人ひとり個性があって、それぞれの子育てがあるのです。
子育てに悩みはつきもので、毎日新しい悩みが湧いてくるように溢れます。
そんな日々でも、ママと子どもがより幸せな時間をたくさん持てるような育児ができることが、本当に大切なこと。
母乳が出ないことに悩み過ぎて赤ちゃんのことを見つめずに過ごすなら、1分でも1時間でもお互いが笑っていられることについて考えた方が豊かな毎日になりますよ。