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出産をすれば自然と出てくると思っていた母乳が出ない・出が悪いとなるとママは非常に気落ちします。
そもそも産後はホルモンバランスが崩れることで情緒が不安定になりがちであるのに、そこへきて母乳が出ないというようなトラブルがあると、ママは育児や自分の体について大きな不安を抱くことになるのです。
連日、助産師さんからおっぱいマッサージをしてもらったり、自分でも頑張ってマッサージをしたり、赤ちゃんに根気よく吸わせてもやっぱり母乳の出が悪い……こうなるとママのストレスは溜まる一方です。
しかし、もしかしたらあなたの母乳の出に関しては、東洋医学的な処置をすると改善することもあるかもしれませんよ!
今回は東洋医学の見方から母乳の出について見ていきましょう!
東洋医学的な「母乳の出が悪い」状況とは?
鍼灸やツボを中心に治療を行う東洋医学では、母乳(乳汁)が出にくい状態=乳汁分泌不全については「欠乳」もしくは「少乳」と言います。
東洋医学で体の不調などは「気」と「血」のバランスが崩れているのが原因とすることがほとんどです。
気と血の最たるものである母乳も、出が悪と言うのはこの「気」「血」のいずれか、もしくは両方が不足しているために起こっている現象とされるのが一般的な見解です。
母乳が出ないことに関する東洋医学での原因には次に挙げる3つが代表的なものです。
- 気血両虚
- 出産では非常に多くの気血を使うのですが、元々が虚弱体質であったり、産後の肥立ちが悪いために出産で消耗した気血が回復できない場合、気血の両方が母乳を作るほど回復していないとされる状態です。
- 脾胃虚弱
- 東洋医学では、食べ物を消化して気や血に変える「脾胃」の機能が落ちると、気と血が母乳を作るだけ生成できず、欠乳という状態になるとされます。
- 肝気鬱滞
- 東洋医学での「肝」は、「疎泄」という気や血をのびやかに広げる作用があるとされています。
この肝が何らかの障害により、疏泄機能が順調にいかなくなると、気血が滞ってしまい、欠乳という状態になるとされているのです。
以上の様な状態を改善し、体内の気血をうまく巡らせることで、母乳の出を良くしようというのが東洋医学的観点です。
直接的かつプロの施術ということでは、鍼治療が上記の状態改善に最も効果が高いとされていますが、鍼治療なんてなかなか行けない!という人には気血の巡りをよくするツボを圧すことをおすすめします。
母乳の出が悪い時に試してみたいツボはこちら!
試したい11つのツボ
- 1)少沢(しょうたく)
- 場所………足の小指のツメの外側にあるツボで、根元から3~4mmほど下方にあります。
施術方法…鍼灸のどちらかを選べるなら鍼でうっ滞した血液を押し出してしまうのが効果的ですが、自分ではこうした処置が難しいこともあるので、お灸を利用するのも良いでしょう。
- 2)膻中(だんちゅう)
- 場所………両乳房の中間点にあります。圧して痛みがあるかどうかを確認して施術をしましょう。
施術方法…せんねん灸など長く温める系のお灸を使うのが吉。
- 3)乳根(にゅうこん)
- 場所………乳頭の下線上で、第5肋間の隙間にあるツボです。もっとわかりやすい感じだと、乳首の真下で肋骨と肋骨の中間の凹みの部分ですね。
施術方法…指でゆっくり3秒程度圧すと良いでしょう。あくまでゆっくり圧すのがポイント。
- 4)隔兪(かくゆ)
- 場所………背中にあるツボなので自分で刺激を加えるのは難しいかもしれません。肩甲骨の下の縁から背骨に向けてなぞった位置(=第7胸椎)の棘突起両側の筋肉内にあるのです。
施術方法…母乳の出に悩む女性だと、このツボに何らかの反応が必ずあるツボです。血会とも呼ばれるツボで血液を増やすツボです。原則お灸が良いのですが、指圧でもOK。ゆっくり圧すのがポイントです。
- 5)湧泉(ゆうせん)
- 場所………足の裏の中指と人差し指の間を延長線上に下ろし1番くぼんだ部分になります。
施術方法…うつぶせになって、足の裏を踏んでもらうのが1番手っ取り早い方法です。お灸や指圧で刺激をするのが吉。
- 6)曲池(きょくち)
- 場所………肘をまげてできる横筋の外側先端にある凹んだ部分。
施術方法…お灸を据えるのが1番ですが、ない場合は温めたコップなどを利用するのも良いですよ。
- 7)後谿(こうけい)
- 場所………拳を握った際にできる小指側のシワの端。
施術方法…お灸がある時はお灸で、ない場合は温めたコップなどでじっくり温める。
- 8)関元(かんげん)
- 場所………おへその下を親指以外の4本の指を閉じた幅(大体3寸)分だけ下がったところにあるツボ。
施術方法…絶対にお灸か温め系のものを利用するように。鍼は使用しないこと。貼るカイロや通常のカイロ、湯たんぽなどで温めるのも良いですよ。
- 9)足の三里
- 場所………むこうずねの骨の外側を約3寸(5~6cm)下がった場所。
施術方法…疲れ脚などの時は圧すこともよくありますが、母乳のトラブルの時は温めるのが良いでしょう。
- 10)太衝(たいしょう)
- 場所………足の親指と人差し指の間をたどって2つの骨が出逢う場所にあるツボ。
施術方法…情緒不安定な時や胃がムカつくときなどに温めたり圧したりすると良いでしょう。
- 11)天宗(てんそう)
- 場所………肩甲骨の上(乳房の真後ろ)にあるツボですが、自分では刺激ができないのでパートナーなどに手伝ってもらいましょう。
施術方法…ゆっくり深く圧すことをおすすめします。